
商品開発ストーリー
Product Development Story
ネットワークを大切にする商品開発
快適生活の看板商品の一つである「おせち」。入社当時からその開発に携わり、ヒット商品も生み出してきた企画開発部のメンバーに、商品企画としての面白みや開発秘話などをお伺いしました。

企画開発部
課長代理
橋本 勝輝2018 年入社
食品会社から転職し、企画開発部の PB(プライベートブランド)担当に。食品会社で培った知識を評価され、おせちの担当に抜擢されました。

「おせち」の企画について、全体の流れを教えてください。
「おせち」は、日本人にとってお正月に欠かせない料理。快適生活のおせちを楽しみにしていただいているお客様のために、毎年かなり力を入れて開発しているんですよ。
年が明けるとスグに次の年のおせち開発が始まります。まずは、1月の反省会からスタート。
私たちのおせちを選んでくださったお客様から感想をいただき、また、各方面から意見を聞きながら、次回の商品開発に活かしていきます。2月にはその年の販売方針を固め、3月からは中身の料理について検討していくんです。今この取材をしているのが6月ですが、毎年この頃には広告用の撮影も始まっているんですよ。そこからカタログを作成し、8月頃には販売スタート。年末には、前の年よりさらに工夫を凝らした自慢のおせちを、お客様の手元にお届けします。
お正月の商品とは言え、開発には本当に早い時期から取り掛かるんですね!
そうなんです!近年はおせちの販売スタート時期も各社どんどん早くなっていて、予約販売という形で、さまざまな特典を付けては 8 月頃には販売が始まっています。今年はもっと早くなるかもしれませんね。ですから、私たちも年初から準備して、約4~5ヵ月かけて完成させているんですよ。
おせちの中身はどうやって決まっていくのでしょうか?
お召し上がりになる人数や、ご予算によって、お料理の内容やボリュームが変わってきますから、当社では 8種類のお節をご用意しています。皆さんご存知のように、おせちは何段かのお重の中にさまざまな料理が詰め込まれています。伝統的なおせち料理もあれば、最近ではお子さんも一緒に食べやすいということで、洋風のものも人気なんですよ。そしてその中身は、それぞれのおせちで設定している販売価格をもとに、その予算の中で最も適切でお客様に喜んでもらえるものを考えていきます。8種類のおせちは、リーズナブルなものから高級志向のものまで、価格設定もさまざま。でも、1つ1つ、予算の中で最高のものをお届けできるよう、お料理を選んでいます。
具体的にはどんな風に差別化していくのでしょうか?
たとえば、アワビ一つでも、高級志向のおせちなら、産地や大きさにこだわりますし、リーズナブルなおせちでも、高級食材を入れられるように工夫します。特に今は物価高の影響もあって、本当に大変。仕入先の製造会社さんにも試行錯誤していただいて、販売価格は昨年と同じで中身のレベルもできる限り保ってつくり上げているんです。それらを社長をはじめ役員が参加する会議に出して、すべての OK が出たら完成というわけです。

では、10品中8品はOKが出たけど、2品は承認が得られなかった
ということもあるのでしょうか?
はい。やはり、当社の看板商品ですから、妥協は一切ナシ、一回で全部OKということはなかなかないですね。でも、2品がダメだったから、それだけを変えたらいいというわけにもいかないんです。一部のお料理を変えたために、おせち全体の値段が合わなくなって、他のお料理も変えないといけないということも。本当にパズルのような作業ですよ(笑)。大変ではありますが、その分、8種類のおせち全てが承認されたときは、大きな達成感と安堵感がありますね。
では、こういった企画開発の中で、「おもしろい!」と
思えるのはどんな時でしょうか?
自分のアイデアで商品が出来上がったときですね。おせちも一つ一つ、私がアイデアを出して、主体となってコンセプトをまとめていけるところに面白さがあります。特に、大きなブラッシュアップをしたときは、商品企画としての醍醐味を感じます。たとえば、ちょうど今年、鯛のおせちをリニューアルしたんです。尾頭付きの鯛が丸ごと一匹入っているというおせちで、3 段のお重のうちの 1 段に鯛がドーンと入っているんですが、その鯛をお皿に移してしまうと、お重のその部分が空になって寂しくなってしまう。だから今回私は、3 段のお重とは別に丸ごと鯛一匹を用意したんです。しかも値段を変えずに。これなら、お重を広げた時に空になったスペースもなく、豪華なおせちが楽しめ、かなりのお得感があると考えたんです。ちょうど、この取材の次の日が、その鯛のおせちの撮影なので、十分にその豪華さをアピールできるようにビジュアルも気を付けていきたいですね。
なるほど!そのアイデアは、同じように企画会議にかけて承認されたのでしょうか?
企画の立案や、企画を実現するために工夫していることはありますか?
他社のリサーチは常にしていますね。A社が新作を出して好調らしい。B社は、中身は同じで値上げをしたらしいとか。情報収集を常に行って、快適生活ならでは良さを打ち出していけるように考えています。また、こういった企画を、社内のプレゼンで成功させるためには、お客様目線で喜んでいただけるアイデアを出して、実際に形にしたものをプレゼンでは見てもらうようにしています。そして、一番大切にしているのが、ネットワークづくりですね。

ネットワークづくりとは、具体的にどのようなことでしょうか?
「持つべきものはネットワーク!」だと、後輩たちにも常に伝えているほど、仕事をする上で大事にしていることです。私たち企画開発部が商品を企画し、それがお客様の手元に届くまで、社内のたくさんの部署、さらに社外の取引先など、本当に多くの人の協力が必要です。広告を作成する部署、販売をする部署、注文を受ける部署、商品を保管し、配送を手配する部署。そして、社内のシステム環境を維持する部署や、問題解決に動く部署、バックオフィスも一体となって初めて、お客様に商品がお届けできるのですから、そういった協力してくれる皆さんとは、日頃から密にコミュニケーションを取り、常に連携が取れる関係性を築けるように心掛けています。もしもトラブルが起こったときでも、日頃のつながりがあるからこそ上手く連携でき、お客様にご迷惑をかけることなく、解決を目指せるのです。それは、社外のつながりも同じ。皆さんの協力があってこそ、私たちのアイデアが商品として実現でき、お客様に喜んでもらえているのです。
ありがとうございます。人とのつながりが、良い商品にもつながっているんですね!
最後に求職者の方に企画開発としてのメッセージをお願いします。
大変なこともありますが、商品がヒットしたときの喜び、お客様から喜びの声をいただいたときの嬉しさは格別です!自分のアイデアを実現してみたい人、いろんな人とつながってモノづくりをしたい人は、ぜひチャレンジしてほしいと思います。
